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【アミューズメント機器のEMSとODM】メリットや注意点をご紹介

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アミューズメント機器の製造においてEMS(電子機器受託製造)やODM(オリジナル設計製造)を活用することで、コスト削減、開発期間短縮、品質向上などの大きなメリットを得られます。

本記事では、パチンコ・パチスロ機器やゲームセンター向け機器などのアミューズメント機器におけるEMS・ODMの具体的なメリット、法規制対応やセキュリティ管理などの注意すべきポイントを詳しく解説します。
製造業者や開発担当者が知っておくべき重要な情報をまとめてご紹介いたします。

アミューズメント機器とは

アミューズメント機器は、娯楽や遊戯を提供する電子機器の総称です。

日本では特にパチンコ・パチスロ機器やゲームセンター向けアーケードゲーム機器が代表的で、高度な電子制御技術と精密な機械制御が組み合わされた複雑なシステムで構成されています。

これらの機器は厳格な法規制のもとで製造・運用され、安全性と公正性が重要視されています。

アミューズメント機器の定義と種類

アミューズメント機器は、風営法や遊技機規則によって明確に定義されています。

主な種類として、パチンコ機・パチスロ機などの遊技機、プライズゲーム機・ビデオゲーム機などのアーケードゲーム機器、メダルゲーム機器があります。
これらの機器は、遊技者に娯楽を提供するとともに、事業者にとっては重要な収益源となっています。

各機器は用途や設置場所に応じて異なる技術仕様と法的要件を満たす必要があります。

パチンコ・パチスロ機器の特徴

パチンコ・パチスロ機器は日本独自のアミューズメント機器で、極めて高い技術水準が要求されます。

パチンコ機器は玉の発射制御システム、液晶表示装置、音響システム、LED制御基板などから構成され、複雑な確率制御プログラムによって動作します。
パチスロ機器はリール制御システム、メダル投入・払出装置、演出制御基板などを搭載し、精密な機械制御と電子制御の融合が特徴です。

これらの機器は保安電子通信技術協会による型式試験をクリアする必要があります。

ゲームセンター向け機器の概要

ゲームセンター向け機器は、プライズゲーム機、ビデオゲーム機、メダルゲーム機、体感ゲーム機など多岐にわたります。

プライズゲーム機はクレーンゲームに代表され、精密なアーム制御技術とセンサー技術が重要です。
ビデオゲーム機は高性能なグラフィック処理装置と入力デバイスを搭載し、リアルタイム処理能力が求められます。
メダルゲーム機は投入・払出システムとゲーム制御システムが一体化され、公正性を保つための厳格な制御が必要です。

これらの機器は安全基準適合性評価制度に基づく認証を受ける必要があります。

アミューズメント機器でEMSを利用するメリット

EMS(電子機器受託製造)とは

EMS(Electronic Manufacturing Service)は、電子機器の設計から製造、検査、出荷まで一連の工程を委託先企業が代行するサービスです。アミューズメント機器業界では、パチンコ機やスロット機、アーケードゲーム機などの複雑な電子制御システムを持つ機器の製造において、専門的な技術と設備を持つEMS企業に製造を委託することが一般的になっています。

コスト削減効果

アミューズメント機器の製造をEMS企業に委託することで、自社工場の設備投資や人件費を大幅に削減できます。
特に基板実装や配線加工、筐体組立などの製造工程では、専門設備と熟練技術者が必要となるため、これらを内製化するよりもEMSを活用する方が経済的です。

また、大量生産によるスケールメリットを活用し、部品調達コストの削減も実現できます。

生産効率の向上

EMS企業は製造プロセスの最適化に特化しているため、アミューズメント機器の生産効率を大幅に向上させることができます。
自動化された製造ラインや品質管理システムにより、短納期での大量生産が可能になります。

特にパチンコホールやゲームセンターの新台入替時期に合わせた計画的な生産スケジュールにも柔軟に対応できます。

品質管理の徹底

EMS企業は ISO9001 などの国際品質規格に準拠した厳格な品質管理体制を構築しています。

アミューズメント機器に求められる高い信頼性と耐久性を確保するため、部品調達から最終検査まで一貫した品質保証システムを提供します。
特に電子部品の実装品質や動作検証においては、専門的な検査装置と技術者による厳密なチェックが行われます。

技術ノウハウの活用

EMS企業が蓄積してきた電子機器製造の技術ノウハウを活用することで、アミューズメント機器の製造品質向上と技術革新を実現できます。
最新の実装技術や省電力設計、EMC対策などの専門知識により、より高性能で信頼性の高い機器開発が可能になります。

また、他業界での製造経験を活かした新たな技術提案や改善提案も期待できます。

アミューズメント機器でODMを利用するメリット

ODM(オリジナル設計製造)とは

ODM(Original Design Manufacturing)は、受託企業が設計から製造まで一貫して担当する製造委託方式です。

アミューズメント機器業界では、パチンコ機やスロット機、ゲームセンター向けアーケード機器などの開発において、ODM企業が企画段階から参画し、独自の技術力と経験を活かして製品を設計・製造します。

委託元企業は自社ブランドで製品を販売できるため、開発リソースを効率的に活用できる仕組みとなっています。

開発期間の短縮

ODM企業は豊富な開発実績と専門技術者を保有しているため、アミューズメント機器の開発期間を大幅に短縮できます。

パチンコ機の液晶制御システムやゲーム機の基板設計など、複雑な技術要素についても既存のノウハウを活用することで、ゼロから開発する場合と比較して30?50%の期間短縮が可能です。
また、並行開発体制により、ハードウェアとソフトウェアの同時進行も実現できます。

設計リスクの軽減

アミューズメント機器の設計には高度な技術力と豊富な経験が必要です。

ODM企業は過去の開発データと失敗事例を蓄積しており、設計段階でのリスクを事前に回避できます。
特にパチンコ機器では風営法や保安電子通信技術協会の認定基準への適合が必須であり、ODM企業の専門知識により法規制違反や認定取得の遅延リスクを最小限に抑制できます。

製品差別化の実現

ODM企業は独自の技術開発力により、競合他社との差別化要素を製品に組み込むことができます。

たとえば、パチンコ機では独特な演出システムや省電力制御技術、アーケードゲーム機では新しいユーザーインターフェースや通信機能など、市場での競争優位性を確保する機能を提供します。

委託元企業の要望を具体的な技術仕様に落とし込み、オリジナリティの高い製品開発を実現します。

市場投入スピードの向上

ODM企業の活用により、企画から量産開始までの全体プロセスが加速されます。
設計完了後は同じODM企業で量産体制に移行できるため、製造準備期間も短縮されます。

アミューズメント業界では季節要因や法改正のタイミングに合わせた製品投入が重要であり、ODM企業の迅速な対応により最適な市場投入時期を逃すことなく新製品をリリースできます。
特に新台入替が集中する時期においては、このスピードアドバンテージが売上に直結します。

アミューズメント機器のEMS・ODM利用時の注意点

アミューズメント機器のEMSやODM利用には多くのメリットがありますが、同時に注意すべき点も存在します。

適切な対応を行うことで、リスクを最小限に抑え、成功につなげることができます。

法規制への対応

アミューズメント機器は風営法や電気用品安全法など、複数の法規制の対象となります。
パチンコ・パチスロ機器については保安電子通信技術協会による型式試験や適合試験の実施が必要です。

EMS・ODM業者を選定する際は、これらの法規制に精通し、適切な対応実績を持つ企業を選ぶことが重要です。
試験機関との連携体制や認証取得のサポート体制についても事前に確認しておく必要があります。

また、法改正への迅速な対応体制も重要な評価ポイントとなります。
規制変更に伴う設計変更や製造工程の見直しに柔軟に対応できる業者を選択することで、コンプライアンスリスクを回避できます。

セキュリティ管理の重要性

アミューズメント機器には不正改造を防ぐためのセキュリティ機能が求められます。
特にパチンコ・パチスロ機器では、不正な改造や操作を防止する技術的対策が法的に義務付けられています。

EMS・ODM業者には、製造工程におけるセキュリティ管理体制の構築が必要です。
部品管理から完成品出荷まで、適切な管理システムの導入と運用が求められます。

また、製造データや設計情報の機密保持についても十分な対策が必要です。
情報漏えい防止のための物理的セキュリティと、システム面でのセキュリティ対策の両方を実施することが重要です。

品質基準の統一

アミューズメント機器は長時間の連続稼働が求められるため、高い品質基準が必要です。
EMS・ODM業者との間で品質管理基準を明確に定義し、統一することが重要です。

製造工程における検査項目や合格基準、不具合発生時の対応手順などを詳細に規定する必要があります。
特に電子部品の選定基準や実装品質、耐久性試験の実施方法について綿密な打ち合わせが必要です。

品質管理システムの構築においては、ISO9001などの国際規格に準拠した管理体制を構築することで、継続的な品質向上を図ることができます。
定期的な監査や改善活動の実施も重要な要素となります。

契約条件の明確化

EMS・ODMサービス利用時は、契約条件を明確に定義することが重要です。
製造責任の範囲、知的財産権の帰属、損害賠償の条件などを詳細に規定する必要があります。

特に、製品不具合が発生した場合の責任分担や対応手順については、事前に明確にしておくことが重要です。
市場での不具合発生時の回収費用や損失補償についても、契約書に明記しておく必要があります。

また、製造能力の確保や納期遵守についても契約に盛り込むことが重要です。
需要変動への対応や緊急時の増産体制についても事前に合意を形成しておくことで、安定した供給体制を構築できます。

まとめ

アミューズメント機器におけるEMSとODMの活用は、コスト削減と開発効率化の両面で大きなメリットをもたらします。

EMSではコスト削減と品質管理の徹底、ODMでは開発期間短縮と製品差別化が実現できるため、市場競争力の向上に直結します。

ただし、パチンコ・パチスロ機器などは厳格な法規制があるため、委託先選定時には法令遵守体制とセキュリティ管理の確認が不可欠です。

適切な委託先との連携により、アミューズメント機器開発の成功確率を高められるでしょう。

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